~ 三重県四日市 坂下さん宅のTVキャビネット制作の続きから 「完成」 まで ~
幅2mの組立てでは 長尺のハタガネを使い 垂直・水平の精度を高め固定していきます。
細かい部材の個所はクサビ(竹材)を打って強固にしています。
指先から伝わる鼓動は次第に確かなものに ・・・
組立て完成からは私の出番です。 丁寧にサンディングし、ペイントをしていきます。 その後
もう一度ペイント部をサンディング。 二度目のペイント作業。
愛犬 Ange ( アンジュ ) も 工房の隅で私の作業姿をおりこうに見学です。
やすりの粉で真白になってしまいましたが 何とも愛らしい姿に思わずシャッターを切って
しまいました。
英国製真鍮のヒンジを特殊な薬液でアンティーク処理しています。
1サイズを何にでも使うのでなく 5種類のサイズから、
創る家具デザインに合うものを選び 用いるようにしています。
同じく英国製ノブ 使うネジもヨーロッパ仕様でマイナスです。
プラスネジの日本にあって あえてマイナスネジを使うのも 私たちのささやかなこだわりです。
下の引出しと扉の間隔が無い状態で 扉を開いた時、中面とフラットになるようにする構造は
プロでもなかなか考えつきません。
引出しの中枠は固定されてなく左右にスライド出来き 用途に合わせて仕切りをニ分割
三分割にして使えます。
棚板・棚受の構造をこれほど明確に公開するのは初めてです。
parisで見た 中世の家具からヒントを得て考案、20年来この方法で創っています。
2cm刻みで 棚板の高低調整が出来ます。
あの無機質な金属のダボの部分を排除し 家具のデザインとして見せています。
強度も従来の構造と違い、はるかに耐性があります。
扉のガラスは ドイツから取り寄せた “ 歪みガラス ” です。
やはり こういったパーツひとつひとつが加えられることで
仕上がりのグレードが ぐんと高まります。
工房内で 三分割されていたものを組み上げてみると、やはり圧巻です。 幅があるものの
中央部が少し前に出ていることで平面的にならず 立体感が出て、全体のデザインの大きな
ポイントになっています。
仕 様
サイズ / W 2020 × H 2300 × D 510 (mm)
用 材 / 北米産ポンデロサパイン
Color / バターミルクペイント Yellowish White ・ Livos 自然健康塗料 White