La Maison avec du coeur

フランスの友人夫妻が HEART&HOMEを「La maison avec du cœur」と 素敵に表現してくれました。
彼らの 私たちに対する想いに 感謝の意を込めて Blogタイトルにしました。

世界にたったひとつの家具

チェスト 完成

 

早くに完成していましたが、やっとアップしています。                           最初に送られてきたご希望のデザインですが 何かしら自分の作風に似かよっているなと感じていたところ      以前のブログ掲載の画像をもとに図案化加工して知らされたものでした。 なるほどね!って感じ。

        設置場所の寸法に合わせピタッと収まるように 実寸を割出し図案化し制作にとりかかりました。 

 

   引出しの中は細かく整理出来るように工夫。 用材はウォルナットを使っています。

 

 

可動式の棚板。 用途に合わせ およそ2㎝刻みで上下にコントロール。 棚受けも味気ない金属のダボと違い、  重さにも強く一つのデザインとしています。

 

   引出しの¨ノブ¨ 32年前フランス・アヴィニョンで買ったもの。 ようやく登場できました。

用材として仏産のホワイトオークを使っていますが 硬くて手作業では時間もかかります。            ペイントの状態も経年と共に雰囲気が出てきて楽しみになります。

   現在進行中のテーブルも完成状態にあり 近日の内にお知らせ出来ると思っています。

日常のこと

キリシタン弾圧と島原・天草一揆

富士山初冠雪の2日前のこと。 以前から関心を持ち続けていた長崎県南島原市にある¨原城¨に行ってきました。

 1637年、飢饉や重税に耐えかねた有馬や天草の領民たちによる島原・天草一揆が勃発した舞台になった所です。  キリシタン農民38,000人に対し幕府側12万人。 幕府側の総攻撃を受け全滅したという歴史的な「原城」です。        潜伏キリシタン関連遺産として世界文化遺産になっています。

 仕事の関係もあり羽田を朝の便で発ち翌日の夕刻には戻るという強行軍でしたが               長年の念願がかない満足の旅(?)になりました。

 

 長崎空港には昼前に到着。 レンタカーを借り南島原市にある¨原城¨を目指します。                    

     道中雲仙を経由しますが 関連あるということで立ち寄ることにしました。                     

 島原半島はキリシタン大名有馬氏の治下でキリスト教が栄えましたが 禁教時代になると             迫害の地へ変貌していきました。 ここ雲仙では1627年から5年間 雲仙地獄が迫害の道具として使われました。                    キリシタンに信仰を棄てさせるため拷問・処刑が行われました。                        熱湯をかけたり 煮えたぎる湯壺の中に投げ込んだりしたという・・・

                                キリシタン殉教の碑

 

長崎空港からおよそ2時間で目的地「原城」に到着。                              検索してある程度認識はしていましたが 長い間想い続けていただけにその場に立つと感慨深いものがあります。 

               天草四郎たちが籠城した原城跡には随所に乱の痕跡が残っています。

  天草四郎像   

若い四郎(16歳)は一揆勢に大将として担ぎ上げられて神格化されていったのかもしれません。           落城後に捕らえられて斬首され長崎でさらし首にされたと記されていました。

                                      天草四郎の墓

 

 佐分利九之丞は鳥取藩池田家の家臣で使者として息子らと共に有馬の地に来た人物。                幕府軍の総攻撃の時に討ち死にしたと記してあります。

幕府軍は城内の兵糧が尽きたとみるや 2月27日総攻撃を開始。 翌日、原城は陥落しました。              一揆勢のほとんどが戦死し生き残った者も老若男女問わず処刑されました。 幕府は原城を徹底的に破壊しました。

2008年3月24日付のブログ「長崎街道の温泉宿場町」に 剣豪¨宮本武蔵¨の名を記していましたが       その記述には幕府軍として¨原城¨に討伐に行く途中に立ち寄ったとありました。               「そうなんだ~」と漠然ながら同じ空間にいる自分を重ねているような不思議な気持ちでいましたがその「原城」の記述に宮本武蔵が載っており リアルに自分の中で何だか¨点と点¨が結ばれたような感覚に満たされました。    ただその戦いの中で「宮本武蔵は一揆勢が投げた石があたり退散した」とあり・・・               それを知った時ちょっと微妙な気持ちになったのかな ??

                    長崎空港を離陸。 眼下に波おだやかな大村湾

アクセスを考えると簡単には現地に行こうと思えないのですが 今回トンボ帰りにしても実現できたのは      LCC のキャンペーンのおかげでした。 ひとりの片道分の航空運賃よりも安く2人が往復が出来たことでした。  

日常のこと

チェスト & テーブル

  横浜市西区にお住い 前田様からのご依頼です。 

  お話の後 設置場所の位置や寸法を知らせてもらいすぐにデザインに取りかかりました。            用材は仏産ホワイトオーク・ウォルナット。                                テーブルに関しては天板の接着を済ませ 放置状態にしてバランスをとっています。                   特に脚のデザインは凝ったものになってしまいました。

 

 部材の準備が出来 組立作業に入ります。

 

側面になる材 中板をはめ込むようにしてパネルにしています。 無垢材は環境によって微妙に膨張・収縮します。それを踏まえ 組み込まれる部分のペイント塗布を済ませています。

  チェスト・テーブルの天板は無着色のナチュラル仕上げになりますが 他はペイント仕上げになります。   部材で内側になるところは予めペイントしています。 組立が終わってペイントに入ると隅々の処理に塗り斑が出来たり 手間がかかることではこの方法がベストになっています。

 

 ハタガネやクランプを使いそれぞれの部材を圧着しています。                       必ず直角に収まっていることを確認しながら進めます。 ハタガネ(2本の黒い金具)の使い方が悪いと直角が取れなくなり微妙に歪んだ仕上がりになってしまいます。

 機械化された流れ作業的な家具製造と違い デザインから一貫して創ることとは大きな隔たりがあります。        小さな部材のひとつひとつ 工程の流れ等すべてに創りての気持ちが込められているものです。                   「次は何をするか」・・その繰り返しで出来上がっていきます。

 

  棚板の創り  彎曲などの経年変化に耐えうる構造。

 ここまでする必要もないのでしょうが・・・  この方法 やり始めてしまうと妥協出来なくなってしまいます。

 

続く。
  

世界にたったひとつの家具

Wardrobe 完成

濃い色と違い 白くなるほど重ね塗りが不可欠になります。 本体高さ2000㎜・幅1000㎜・奥行き600㎜    横にしたり逆さにしたり何度繰り返したことでしょうか。 ¨塗っては乾かし¨の繰り返し。           おそらく4回塗りはしています。 扉・引出しを含め ひたすら塗布作業の毎日です。

奥に貼っているクロスは甘利宅より送られてきたものです。 後にご自分たちで貼るようなお話でしたが工程の中で貼った方がきれいに仕上がるという事で送って頂き処理してしまいました。

複雑な創りではありませんが 何もしなくてビッタリと収まるわけにはいきません。 何度も調整を繰り返し   ようやく仕上がりました。

        

 

姉妹それぞれに一台。 同じものを2台創ってしまいました。

 

日常のこと

Wardrobe

2021年4月公開「天蓋付きBEDで夢のプリンセスルーム」で紹介させて頂いた長野県小諸市にお住いの甘利宅からwardrobeの制作依頼。 姉妹で2台の制作ですが前回の意匠に合わせるように創ります。

                  サイズは 高さ2000㎜×幅1000㎜×奥行き600㎜ 

  縦横の接合部になる所は深さ3㎜位の溝を彫り込み はめ込むようにして組み立てていきます。

 

  接着は常にフラットになるように・・・

計算のもとに各部材を準備していますが これだけの大きさになると簡単にはいきません。 ちょっとしたズレでも大きな影響を発生してしまいます。 直角にキープされていることは絶対です。 それでも歪みなどを発生させる等思っている以上に手間がかかります。

      ここまで 90%の進み具合かな ?  細かな作業が終わればペイントになります。

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