アンティーク家具とは 本来 100年以上の年月を経過したものを指します。
それ以降に 作られたものは フランスでは“ ブロカント ”と呼び
区別されています。
国内では 相変わらず“アンティーク”がもてはやされ アンティーク風( ? )の物まで
平気で 「アンティーク」と称し 売られています。
私たちの元にも ポツポツと 欲しかったアンティーク家具をデザインをそのままに
再現してもらいたいとの依頼が 舞い込んで来ます。
今回は 奈良県の下地さんから“ カップボード ”の制作依頼です。
あまりデコラティブではありませんが 細部のディテールにこだわりのある家具です。
一枚の写真をもとに 細部の寸法の割り出し作業から始め 全体の構造・構成のめどを
つけます。 多くを 目測による寸法決めになりますが それらをもとにして
ミリ単位でのデザイン画を描きあげます。 細部のバランスについては 必要に応じて
制作作業の中で微調整します。
特に 引出しは 微妙な膨らみ(カーブライン)があり ポイントにもなっています。
それから 今回は背板のデザイン・構造についても従来のものとは違い
手の込んだ創りになっています。
背板については 面積が広くなり 無垢材がゆえに湿気・乾燥で
膨張・収縮の影響を受けるために 構造的に工夫しなければなりません。
何種類かのビットを使い 何度も反復しながら ここまで加工しています。
イメージ通りの作業が出来るよう 緻密な計算が欠かせません。
天板部モールの造作・取り付け等がこれからの作業になります。
創りに徹底し 扉の取っ手(ノブ)も手作りします。
最終的にはペイント仕上げで アンティークジェル・ワックス等を使い
使い古したような仕様。 レトロガラスをはめ込み仕上がります。