神戸の北口宅に ダイニングセットをお届けしてから10数年がたちました。 久しぶりに受話器の向こうから聞こえた奥様の元気な声に こちらも自然と笑顔になります。 思いきって 今まで使ってきた家具たちを入れ替えようというご相談でした。 キッチンボードから始まり サイドボード・TVボード・・・ 小さなものではカトラリーケースまで。 ラフデザインを描きお送りすると歓喜に満ちた声で また お電話がありました。 次から次へとイメージをふくらませ 楽しみにしてくれている様子が手に取るように伝わってきます。
現在 用材の下準備の真っ最中です。
使用する用材は Maritime Pine というフランス原産のパイン。 年輪の幅が広くややあかみを帯びた大らかな風合いの材面です。
輸入された原板で 厚さ28mm×幅160mm×長さ4000mmの無節材で国内ではほとんど流通していません。
厚み23mmにカンナをかけた状態。 北米産のポンデロサパインに比べ硬いです。
4~5点の制作になると その準備だけで大変です。 その後切断・組み立てになるのですが 同時進行していると 特に小さかったり細かったりするものは どこの部材なのか分からなくなってしまいそうですが 最近は訓練されたせいか問題はありません。 ほとんど任されている状態で創る側の感覚で進めています。 作業の進捗を要所要所で画像で確認して頂きながら進めますので 気持ちは共同作業です。 これから3ヶ月間は集中集中の毎日です。
※ Maritime Pine マリタイムパイン ラテン語で海岸の松。 その名の通り砂地でも良く育つ植林木で フランス・ランド地方の海岸にナポレオン三世が防砂林として植林したのが 現在のマリタイムパインの森の始まりといわれています。