以前から思い描いていたベンチ。 普段は依頼の制作に追われているのですが 少しずつでも作りたい物を形にしていこうと 取り組み始めています。 同じものを何点も作るのではなく あくまでも「世界でたったひとつの家具」として創り上げています。 模索している時間のほうが多くなり割に合いませんが 根気よくやることによって新たな発想のきっかけになることもあり それらは次のデザインに活かされています。

座面の裏側に脚の取付穴を開けるのですが 角度がついたデザインになっており 4本の脚が揃うように気持ちの統一が全てになります。 貫通してしまわないようにノギスで確認しながら慎重に進めます。

あらかじめ加工していた脚のパーツを組みながら穴に差し込みます。 簡単そうに見えますが そうではありません。 それぞれに角度が設定されている為 接着と差し込みを一気に・同時にしなければなりません。 勿論事前にリハーサルしています。 接着剤が固まる前に4脚の角度確認は絶対です。

用材は北米産ウォルナットを使っています。 座面の形状もフラットではなく削り込んでいますが 時間を割いた箇所にもなっています。


丸棒の中央部は22mm 両端は15mmで 一本一本全て手作業で削り込んでいます。 単純作業だけにとっても根気が必要です。


穴あけ作業。 座板の厚みは35mmあり それに深さ20mm 微妙な10°位の角度がついた穴を手持ちのドリルで開けています。 ここまでになると作業も終盤になります。 22本の丸棒を差し込み接着させると修正は全くできません。 もう成り行き ?? です。


設定した角度を確認しながらハタガネで強力に密着させます。 最初のイメージと組み立て上がった差異を想うのですが その判断はなかなか微妙なところがあります。 満足よりも課題が見つかるほうがいいのかも知れません。 この後ペイント塗布になります。 完成後販売する予定になっていますが興味のある方は お問い合わせください。




肘掛けも ウォールナットの太い角材から削り出し それを支えるスピンドルと脚部のスピンドルも一本一本丁寧に旋盤で作り出しました。 ゆったりとくつろげるように奥行きもたっぷりとり 体が自然となじむよう座面もゆるやかなカーブを描いています。

純度の高い植物原料のオイルで 無垢木材の持つ質感と木肌のあたたかさはそのままに 自然な色 ツヤで木の持つ魅力を一層引き立てます。































