La Maison avec du coeur

フランスの友人夫妻が HEART&HOMEを「La maison avec du cœur」と 素敵に表現してくれました。
彼らの 私たちに対する想いに 感謝の意を込めて Blogタイトルにしました。

世界にたったひとつの家具

限りなく アンティーク スタイルを めざして

“クロスオーバー的な毎日”と言ったら 大げさで古い表現になってしまいますが
次第にどん詰まりの様相になりつつある現状の中で 乗り越えていかねばと奮闘中です。
あれもこれもしなければならない。
夜になると 日中作業しながら考えていたデザインイメージを図案化。
あの人の分。 この人の分。
ここで手を抜いてしまうと 何となく同じようなデザインの制作物になってしまいます。

そうした中で CORNER CUPBOARD が 完成間近となってきました。
限りなくアンティーク・スタイルに近づくように・・と 用材には アメリカ合衆国建国当時の
建築物の構造材として使われていた サザンイエローパインの古材を用いています。
カンナから出てくるのは粉塵状で それだけ木としての感覚では扱えません。
長い年月の間に組織が変化してしまっています。 したがって 加工が大変です。

CORNER CUPBOARD 1

鋭角になった変形の創りは 何から組立て始めるのか悩むところです。
工程のプロセスをしっかり把握して進めなければなりません。

CORNER CUPBOARD 2

今回最大の難関。 本体両サイドに溝の掘り込みを施します。 少しのミスも許されません。
心身ともに万全の状態で 息を止めての作業になります。

CORNER CUPBOARD 3

CORNER CUPBOARD 4

棚板制作。 重さや湿気で 湾曲しないよう 両サイドは交差させるような構造。
接着するだけでなく クサビを打ち込み強度を付けます。

CORNER CUPBOARD 5

棚受けの構造は パリのアンティークショップに展示してあった家具がヒントになっています。
20数年を経て そのデザイン・構造も随分進化しました。 最初のころはマネされないように
オープンにすることはありませんでした。 シンプルな創りですが 工程は簡単ではありません。
無機質な金属のダボを使うのが一般的ですが ここでは棚受けも ひとつのデザインとして
役割を果たしています。

CORNER CUPBOARD 6
下部の扉

CORNER CUPBOARD 7

上部の扉には 歪みガラスを入れます。 全体に重さが加わるので 緻密に創ります。

CORNER CUPBOARD 8

CORNER CUPBOARD 9

CORNER CUPBOARD 10

H型ヒンジはイギリス製で アメリカの鉄製と違い 真鍮製で重量感もあり高品質です。
サイズも5種類あり創るものに合わせて適切に選べます。
鍵を 取っ手として開閉に使います。
真鍮の表面は薬品処理で 古っぽく見せています。

CORNER CUPBOARD 11

CORNER CUPBOARD 12

CORNER CUPBOARD 13

最初に描いたデザイン画をもとに 自由な発想のもとに創り上げています。
根拠となる細かな寸法が存在していないので 同じ物を2度と作れない訳です。

一旦 金具類を外し オイル塗布 アンティークワックスを塗り込み 仕上げになります。