埼玉の 一柳さんから お問合わせがあったのは一年以上前の事です。
これから マイホーム新築というお話しでした。
家づくりのイメージに合うものが欲しいと 検索を繰り返し
私たちの家具創りに たどり着いてくれました。
建築の進行に伴い サイズやデザインを より具体的に打ち合わせて行きました。
60インチサイズTVを収めるという 今までの中でも 特に大きなTVボード制作です。
本来 TVボードはリビングに設置するもので 存在感からして中心となる家具になります。
それだけに デザインは大変重要です。 お部屋の広さや TVサイズを含め
創るTVボードの幅や高さ・奥行き等を決め デザインに取りかかります。
幅2500 高さ1950 奥行き480 の範囲でのデザインとなっています。(単位・ミリ)
用材には 厚み2センチの北米産ポンデロサパインを使っています。 合板と違い
無垢材ですので 環境によっては 多少の変化を生じさせる事を含み 接合部は
3ミリの溝を彫り はめ込むように組まれています。
常に水平・直角をチェックするものの 幅2500ミリで無垢材相手では至難の業。
床に接する部分は最重要個所で 糸を張り 限りなく水平を求めての組立てです。
上置部を逆さにしています。
定規でタテ・ヨコをチェックしながら 接する面を限りなくフラットにします。
もちろん モールの制作も手作業・手づくりです。 創る家具の大きさによって
それぞれのパーツのサイズも変わります。
独特のカーブラインは本体にあてがえながら ニュアンスを見出しています。
このモール制作だけで 丸2日要しています。
扉の制作。
直角であることと ねじれが無いかのチェックは何度も !!
幅広のスパンを 確実に平行に保ちながら背板を取り付けていきます。
均等になるよう 中心から始めます。
この時点で すでに内部のペイントがなされていますが 隅々まできれいに
仕上げる為にも 組立て前に済ませておきます。
全体が組み上がると 本格的なペイント作業になります。
フレンチカラーで どうしても白ぽい色使いになってしまいますが
下地が見えなくなるまでになると 塗布工程が倍になります。
完成状態です。
棚板等は可動式になっています。 中央ガラス部は機器類収納。
全体に幅広になっているので 今までの創りと違い 引出しが多く設けられています。
あまりデコラティブになりすぎない すっきりと 美しい フォルムに仕上がりました。
ご希望により 金具類はアンティーク処理をしていない真鍮で 品よくまとめています。
それと共に ローテーブルの制作もしています。
やはり 同じ創り手のデザイン制作で 一番良い点は お部屋の雰囲気が
それだけで 統一感を増すところだと つくづく感じました。
トータルコーディネイトを考える上で 一番大事な部分だと思うのですが
同じような色でも 何となく違うとか 木の質感も やはり材質によって
やわらかいイメージになったり かたいイメージになったりと
買ってから後悔する事も多いのではないでしょうか ?
長い年月 共に過ごしていく家具。
一緒に年を重ねて行ける物を 選んで欲しいなと思い続けています。
そして そうした方たちから選ばれる創り手でありたいと ………………………….